今はもう 


触れる手のぬくもり

手のひらはさらさらと

指からこぼれ落ちる心

絡ませた指先に

わたしの涙が落ちて砕ける

横顔をずっと見て来た

瞳を合わせたのはいつの事?

うつむくわたしに気付かないまま

それでも

あなたは笑ってる

笑ったままきっとさよならね

それでも

あなたは手のぬくもりさえ

こぼれて無くなった心さえ

気がつく事もないのかもしれない

季節の変わりゆく様に

驚きの表情を浮かべながら

嬉しそうに振り向くけど

きっとそこには

もうわたしはいないかもしれないのに



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 浮かれる秋 


浮かれ騒いで

   秋が来る

空を見上げて

   秋を見る

両手を伸ばして

  秋を聞く

「暑さから解放されたぁ」

「夏は嫌いなんだよね」

日焼けした顔で

   あなたはシラッとのたまう

あんなに泳いで

あんなに汗まみれになって

サッカーボール蹴って

テニスラケット振りながら

真っ白い歯を見せて

日焼けして笑った

十分に夏を満喫、じゃないの?

今度は秋なのね

楽しそうに笑う

キラキラと高い空を見上げて

いたずらっ子みたいに

意地悪な笑顔


浮かれ騒いで

   あなたの秋が来る

   

 雨粒 


しとしとと雨が降る

バタバタと雨粒が落ちる

落ちて来た水の小さな塊は

屋根に落ちて砕け散る

流れて集まって

川に注がれて

いつしか川幅も広がると

黄河に変わり

旅の終点は大海原へ

長い旅

様々な環境

沢山の経験

生まれた時には

知る事もなかった苦労

力いっぱい想いを込めて

今、自分はどの辺?

何処でどんな風に

踏ん張ればいい?

様々な出会いと別れを繰り返し

涙も笑顔も味わって

今、大海原に向かって

肩の力を抜いて

 夜空におやすみ 

きみは嘆き悲しむ

人なんて信じられないと

嘘で固めた言葉に真実を見失い

心なんてないんだと

本当は信じたいのに

触れ合いたいのに


ホントだね

人は醜いね

人間って汚いね

自分の事ばかり考えていてさ


きみは苦しくて空を見上げる

その空は星で輝き

手を伸ばせば届くようなきらめき

遠い何かを思い出したかい?

忘れていた真実に気がついたかい?

そうだよ、嘘の裏側にある不安

手を伸ばした時の震え

表面がすべてじゃない

目に見えることが真実とは限らない

本当は知っていたって?

そうだね、たくさんの人に紛れて

わかっていた事さえ見失うよね

だけど、やっぱり人間が好きだろう?

だから信じなくちゃだめなのかもしれないね

温もりは心を膨らませるよね

それがとっても心地いいんだ

夜空はもうじき明るくなるよ

悲しい涙をふいて

笑顔で伸びをしよう

お月様におやすみを言って

お日様におはようって言おうよ!





 突然、夏の日に 


池の水がポチャリ

太陽はサンサン

夏空ギラギラ

蓮の葉の水玉がコロコロ

耳元に聞こえるはゴロゴロ

遠い空に黒い雲がモクモク

迫りくるピカピカ

きみの手を握りドキドキ

走る二人にポツリポツリ

そのまま変わるザーザー

木陰に二人息がハーハー

ずぶ濡れの顔見合わせてケラケラ

したたる雨粒ポツリポツリ

きみの濡れた髪をかき上げてキス

 権力者 


時の権力者は笑う

誰もかれもちょろいものだ

真実はあってなきもの

この世のすべては意のままさ

思惑だらけでできている

私利私欲?

当たり前だ

誰も自分が可愛い

自分さえ楽しければそれでいい

この為にのし上がってきた

下げたくない頭を下げてきた

矛先がこちらを向けば変えればいい

簡単な事

誰が私を止められようか

誰に変えさせようか

怖いものなど何もない


ただ、ただ

自分の血を分けた者だけには

嫌われたくない

それ一点が不安なのだ



 ナイトスカイ 

niwa2.jpg

「ナイトスカイっていう名前だって」

「うわぁ、本当に夜の空みたいね」

ぼくは夢見た

夜の星が輝く中

きみと二人

星になって空をかけるんだ

それでもぼくは空の星より

きみの笑顔が見ていたくて

太陽が沈んでゆく空より

隣を覗き見る

「こら!夕日がきれいだぞ!」

怒った表情も可愛いよ

本当に二人何にもない中

漂っていたい

夜の星がもうすぐ光り出す

そうしたらきみの手を握りながら

好きだって言おう

大好きだって、そう大きな声で

ゆっくりと沈んでゆく太陽は

ぼくに、頑張って!と

エールを送るようにさえ思える

ゆっくりと夜の蒼が二人を包んでゆく

今宵はぼくの記念日になるだろうか

ナイトスカイ





 『番台でおぼれて』 2 


『番台でおぼれて』全五話

pixivで連載を終えました。

このお話はもともとあった二つの物語を一つにしたものです。

沙由紀と葉月、ふたりと不思議な出来事。周りの人たち。

お時間がございましたら、覗いていただけると幸いです。



 春のキス 


笑い転げるきみ

涙が出そうなぼく

きみに手を振り、嬉しくてスッテンコロリン

それでも

「大丈夫?」と見上げるきみの目

映る空

涙も止まってキスしたい


手を繋ごうとしたら、

不意に現れるきみの友だち

そらされた手のひらを

友だちに向ける

悔しいタイミング

ぼくの手はスイミング


笑顔が眩しくて

手をかざせば

伸ばしたきみの手は空をきり

ぼくの腕をかすめてる

なんて間の悪い

どうして間抜けな

ぼく、ぼく、ぼく


それでも

うつむくぼくのほほに

きみがくれた春の唇


 春は霞 


街路樹がけむっている

まっすぐに伸びた大きな通り

あれは、何年か前に植えられていた苗木

今、わたしの目の前に

枝と枝の間に

エネルギーと希望のオーラをまとい

ぼんやりとたたずんで

もうすぐだね

待っているんだね

ぼん!と世界に飛び出すのを

それは、気がつけば

いつなのかわからないくらい突然で

やって来る瞬間が

待ち遠しい

風がやんだね

匂いが変わった

どこからともなく

瞬きだす

桜の妖精たち

(△お好みの文字サイズになるまでクリックしてください)

桜咲 やよい

Author:桜咲 やよい
woman

ところどころに緑の点在するまだまだ田舎っぽいところに住んでいます

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