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 待って 


あの時、あの一言がなかったら

オレたちの未来は変わっていただろうか

それとも、何も変わらず

やっぱり一人ひとり

違う道を選んでいたのだろうか

オレは言葉を知らなかった

気持ちを言葉にすることさえ

黙っていても

わかってもらえるものと

勘違いして、

ろくすっぽ言葉にせずに来た

その報いなのかな

今、あの時の

言わなくてはいけなかった言葉たちが

頭から、心から

あふれ出してくるのは

もう今さら

伝えられないというのに

それでも、暗がりの中

手を伸ばして

口にしてしまう

あの時、

あの一言に答える

ただ一つの

大切な大事な

ひとことを




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 過去の自身へ 


過去とは淡く濃く

シャボン玉のようにフワフワと

瞬いて弾む

昔見た懐かしい顔を

時が過ぎた今でも

何の変わりもなく

時には昔のイガイガが無くなって

つるんとしたむき身のように

存在そのものだけが

浮き出て見える

懐かしいのは

己の過去なのか

自信の幼さ、純真さなのか

戻りたい気持ちが

大きいのだろうか

誰しも

笑顔で迎えるのは


さあ、自分の過去と

向き合ってこようか





 ポッカリあいた穴 


わたしはもう昔には戻れない

屈託なく笑い

信じていた

その先に楽しい未来があって

希望は溢れこぼれ

光はランダムに輝く

たくさんの偽物に出会った

うわべだけの美しさに囚われた

その裏側にあるものの

真実に目をつぶって

いつか瞬く星のように

照らして月のように輝くと信じていた

儚い夢は紙くずのように

くしゃくしゃに丸められた

笑って踏みつけられた

だからだから

もう昔の真っ直ぐなわたしには

ならない

真実を疑い

裏側を意識して

賢く生きて行かねば


どこかポッカリ穴を

開けながら





 信じてみるかな 


誰もかれも

自分の事ばかり

それでも

そんな事ないよって

善人顔して笑う

そんな人間ばかりじゃないよって

笑って

屈託ない

それこそ

本当に善人なのかなって

錯覚しちまう

人たらしめ

つい信じちゃうじゃないか

今まで人に裏切られて

辛苦をなめて

人なんて絶対信じるもんかって

生きて来たんだぜ

簡単に人なんか信じるものか

って

優しくなんてしない

人の為になんて


そんなオレが

お前に会ってからは

なんだか

人の為に何かしようなんて

考えてる

だってさ

お前といるとさ

人の為になるならって

思ってる自分に

実はさ

びっくりしてるんだ

人は本当は

信じてもいいんじゃないかって

つい思ってるオレがいるんだ

裏切られることも

もしかしたらあるかもしれない

でもさ、それでも

いいさって

オレ、今そう思っちまうんだもの

お前に会ってからね





 春の前に 


この風にのって

この冷たい風にのって

キンキンに冷えた空気をまとって

誰の心さえ凍らせる

春待ちのきみのことさえ

凍えるように

氷の息を吹きかけて

暖かい気持ちを凍らせる

あなたが笑いかける

その先に春など来ないように

寒くて家から出られないように

夢など見られないように

氷の欠片でおおいつくして

雪どけなんて待たなくていい

解けやしないんだから

あなたはこのまま

氷で閉じ込めた中で

永遠に冬眠すればいい


それでも、暖かい気持ちはすべてを溶かしてゆくのだろうか

あのこの事を想うあなたの心が


わたしは

きっとなにも

できずに

春が来るのを

眺めているだけなのだろう

目の前の春の光景に

涙を流しながら








 誰のせい? 


時間は流れてゆく

それがどんなに大切な事か

人は知らない

知っていても

わたしみたいに無駄に使っている

何もしない何もできない

それは誰のせい・

あいつのせい、こいつのせい

ちがうちがう、自分のせいじゃん

大切だってわかっているのに

無駄に

時をすごしてる

無限じゃないのに

たくさんないのに

流れていくだけで

取り戻す事なんかできないのに

天気のせい?

寒さのせい?

体調のせい?

誰のせい?

そうだよ、他の誰でもない

自分のせいだよ

今日もどんよりとした雲に覆われた空を

見上げるわたしを

見下げているみたいに灰色の雲は流れていく









 腐れ縁 


腐れ縁って

どういう事?

縁が腐ってるって事?

腐った縁でつながってるって事?

腐ってるから

そのうち

ボロボロ壊れて落ちて亡くなっちゃうって事かな

そしたら、新しい縁が

どこかに芽吹くのかな

寒い冬を通り越して

縁が腐って落ちて

お日様ピカピカの中で

手を伸ばして

大きく息を吸い込んで

瞳をがっつり見開いて

どこに手を伸ばそうか考えて

芽が膨らんだら

その芽が真っ直ぐに育つよう

大切に水をあげて

育てるんだ

そうこうしてるうちに

腐った縁のことなんか

きっときっと

思い出しもしなくなる

悲しくも

苦しくも

きっとたぶん

無くなるに違いないよね



 フルーツ 


バナナが好き

イチゴも好き

蜜柑だって

キゥイーも良し

ブルーベリー好きだよ

きみは果物大好きなのにさ

どうしてなのかな

ぼくの大好きなメロン

食べないんだね

旅先でさ

デザートはメロンだって

ぼくは最高なのにね

きみは苦い表情になる

果物大好きだって

いつだって笑って言うのに

メロンだけは眉間にしわ寄せるんだ

フルーツの中で一番好きな人多いんじゃないかな

なのになのに

不思議だ

謎だ

甘くておいしいよ

ジューシーだよ

何がそんなに気に入らないの?

ああ、

ぼくの大好物だって

ああ

言えやしないよ

だって

きみに合わせたいもの

きみが嫌いなものは

ああ

ぼくも

悲しいかな、嫌い










 空っぽ 


壊れた心は

修復できるの?

信頼は?

透き通った

身体の中に

脈打つハート

そんなわたしでも

ヘラヘラ笑ってる

冗談言って

笑ってる

癒されるのは

夢の中だけ

今夜もいい夢が見れるように

目を開けている時間は

心の瞳を閉じていよう

誰もかれも

自分が一番かわいいんだし

そう言う自分だって

誰の幸せより

己の居心地よさを

望んでいる

だからだから

こんなにも悲しい

こんなにも空しい

空っぽの上っ面だけで

生きて行くほど

この世は

なんにも感じなくなって

どうでもよくなる

結局人は死ぬんだしね






 ある日 


ああ、生産性のない一日

無駄だ無駄だ

寝たいだけ寝て

ぼんやり起きてきて

窓を開けたら

空はどんより曇り空

ボサボサの髪を撫でつけながら

顔を洗って歯を磨く

雨音は絶え間なく

大雨でもなくしとしと

いっそのこと、嵐だったらよかったのに

なんて呟きながら

朝ごはんだか昼ご飯だか

わからないトーストにバター

コーヒーはエスプレッソ

切れていたトイレットペーパーを

買いに出なければならない

それでも、それは大きな必須

流れてゆく雲に

竜巻でも見えたら

諦めもつくだろうに


それでも

無理やりの外出は

どんよりを

心無しか

かるくしてくれる雨粒のメロディー



ようやく

今日初めての笑顔





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桜咲 やよい

Author:桜咲 やよい
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ところどころに緑の点在するまだまだ田舎っぽいところに住んでいます

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